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1.「そういえばさ、ちょっと聞いていい?」 「なんですか?」 「修の旧姓ってなに?」 「旧姓?」 「うん。修、言ってだじゃん。結婚する時は、今の叔母さんの苗字じゃなくって、両親の旧姓に変えるって。」 「まぁ、そうですけど。」 「べっ別に、将来のことを考えてとかじゃないんだからね。私が興味あるだけなんだからね。」 「ははっ。」 「・・・。なに笑ってるのよ。」 「いえ。そうですね。俺の旧姓は・・・。」 「うん。うん。」 「『如月』って言います。」 2.「まだ、つらい?」 「いきなりなんだよ。」 「昔のこと、思い出す?」 「まぁ、な。それは五月も一緒だろう?」 「そうだけど・・・ね。」 「そんなつらそうな顔をするな。・・・五月には笑顔が一番似合うよ。」 「・・・、クサッ。なにその科白。」 「おまっ・・・。」 「でも、うん。嬉しい!」 3.「光ぅ〜!」 「勇気っ!こっちこっち!」 「ごめん。僕が遅れたせいで待たせちゃったね。」 「いいよいいよ。で、どうした?また、憧れのオジさんの話?」 「いや、その、それは・・・、別に・・・。」 「うろたえてる、うろたえてる。」 「ほっといてよ・・・。」 「勇気、可愛い〜。なんか、あれだね。」 「う〜。・・・何よ?」 「やっぱり、勇気の告白、OKしておけば良かったかなぁ?」 「・・・今更そういうこと言う?」 4.ずっと悩んでいた。どうして私は子供たちにつらくあたってしまったのか。 言い訳はあったし、それを言えば同情してもらえただろう。 私のせいで、息子にもつらい思いをさせてしまった。 自分と同じ道を歩ませるなんて・・・。 私は母親失格だ。 「純一・・・。真弓・・・。ごめんなさい。」 5.「オジさん!」 「また、お前か。」 「へっへ〜。」 「・・・なに笑ってやがる。」 「だって、最近僕のこと『坊主』って呼ばなくなった。」 「・・・。坊主、別に深い意味は無いぞ。」 「う〜。わざわざ言い直すなよ!」 「ふっ。少なくとも自分を『僕』って言ってるうちはレディー扱いはできないな。」 「そうですか!ふんっ!」 6.我が『如月探索・・・』ではなく。 『如月探偵事務所』は金はないが、元気はある。 坊主がココに居座ってすでに二年近くが経過していた。 このまま、のんびり捜しモノをする生活っていうのも悪くない。 そんなことを最近思い始めていた。昔の俺からは想像もつかない。 なんだか、気恥ずかしくなって、最近はめっきり本数が減ったタバコに火をつけた。 7.「さてと。」 「ん?どっか行くの?」 「あぁ。今日はちょっと大事な用があるんでね。」 「ふ〜ん。・・・なんか、去年もこれぐらいの時期にドッカ行ってたよね・・・。」 「良く覚えているな。ちなみに、一昨年も行ってるぞ。」 「・・・。そんな昔のことは覚えてないよ。」 「なに照れてんだ?まあ、いい。帰りは遅くなる。今日は帰れ。」 「ちょっと!どこ行くの?」 騒ぐ坊主の背を押して事務所から追い出す。 上着を羽織ると、ドアの外で待っている坊主を家まで送った。 今日ばかりは邪魔されたくは無い。悪く思うなよ。 8.一つの墓石の前でタバコに火をつける。 「今年も来たぞ。」 「・・・。」 「いい加減、来るなって言ってるのか?そう連れないことを言うなよ。」 「・・・。」 「でもな、最近はこれでも少しは楽しく過ごしてるんだぜ。」 「・・・。」 「それでも・・・。」 「・・・。」 「まだ、前には進めないんだ。俺は弱いままだな。」 久々に苦く感じたタバコは、何かが始まる予感をさせた。 「よっ、『捜し屋』、久々だな。」 そう懐かしい呼び名で呼ばれた。安田康弘。職業警察官。 紫煙は俺の顔に容赦なく流れてきた。 俺が顔をしかめたのはそれが理由だけではないが。 9.日常が崩れるのはあっけない。それはまるで、トランプで作ったタワーのようで。 作るのにあんなに時間が掛かったのに、崩れるのはあっという間だ。 それを何度も何度も味わってきた。 そして、今日。 この再会は何を意味するのか? もうこれ以上、なにも崩したくない。 10.「安田・・・さん。」 「『捜し屋』、元気にしていたか?」 「その呼び方は辞めてください。もう、昔の話です。」 「昔ね・・・。ちょっと変わったか、お前?」 「・・・。別に。俺は何も変わっていないですよ。」 「そうだよな。そう来なくっちゃな。だって、お前は、まだ、ケリつけてないもんな。」 「・・・回りくどいですね。俺も色々忙しいんですよ。」 「女子高生の相手をしながら、猫を捜すのが忙しいのか?」 「・・・。」 「そう怖い顔をするな。『捜し屋』、お前の力が必要だ。」 「今更・・・。」 「それにお前にも悪い話じゃないはずだ。」 「どういう意味ですか?」 「12年前からお前がずっと追っていた奴。奴がまた出たぞ。手伝ってくれ。」 11.行きつけのバーで少しアルコールを摂取すると、事務所に帰る。 思いの他、早く帰った。 時間を再度確認し、失礼な時間でないことを確認すると、坊主の自宅に電話をかける。 この2年ですっかり顔見知りになった母親に、坊主を呼び出してもらう。 心無しか、嬉しそうな声を出す坊主に、暫く事務所には来るな、と伝える。 なにやら、電話の向こうで文句を言っているようだが、最後まで聞かずに電話を切った。 事務所から必要最低限の生活用品をカバンに詰める。 ふと台所のコーヒーメイカーが目に入る。 俺には眩しすぎる2年間だったのかな? ドアを閉め、鍵をかける。 13.墓地近くの古臭い喫茶店に入り込む。薄暗くタバコ臭い。 それだけで、なんだか昔の自分に戻ってしまったようだ。 「これからはココで?」 「ああ。一応携帯の番号も教えておく。落ち合う時はココだ。」 「分かりました。」 「さて、早速仕事の話だ。おっと、お前には金は発生しないからな。仕事ではないか。」 「別に。そんなことはどうでも良いです。」 「ふっ、ようやく昔のお前に戻ってきたな。」 「・・・。早く始めましょう。」 14.「さて、とりあえず、おさらいから始めようか?」 くしゃくしゃになった箱から同じくくしゃくしゃになったタバコを取り出した。 俺にしてみれば、あんなタバコ美味くない。 運ばれてきたコーヒーを口に運び、まずいと思う。 そして、それを思い出さないように、わざと旨いと思い込むことにした。 15.「やってることは連続轢き逃げ。何故連続だと“俺ら”が判断したかというと・・・。」 「同じ車を使っているから。」 「そうだ。全部盗難車にも関わらず。つまりわざわざ同じ車種の車を盗んでるってことだ。」 「それに加えて・・・。」 「・・・。お前もマスコミの虜か?それはこじつけだ。」 「俺は、そう思いません。」 「女体化間際の男が近くに居る女ばかりを狙っている。」 「はい。」 「それこそ、周りくどい言い方だ。マスコミは喜びそうな見出しだがな。奴はただ、14〜15歳の女を狙っているだけだ。」 「見解の相違です。そして、その違いは大きい。」 「兄弟、友達、恋人。14,5歳の女のそばには14,5歳の男が居る。それだけだ。」 「・・・。」 「未だ被害者面か?やめておけ。」 「・・・俺がそれを辞めれば、手伝う理由はなくなりますよ。」 16.シングルのベッドから起き上がる。部屋は狭く薄暗い。 灰皿にたまった吸殻をゴミ箱に捨てると、また吸殻を作るために火をつけた。 頭はまだ回らず大量に買い込んだ“旨い”インスタントコーヒーを炒れた。 久々にあの時の夢を見た。 12年前のあの光景。 「和美・・・。」 17.如月和美。 出会ったのは中学一年の夏だった。 英語の授業について行けず、無理矢理参加させられた補習の教室だったかな? まだ、小学生気分が抜けない俺に、眼鏡の奥から鋭い視線を浴びせてた。 偶然帰り道が同じだった俺と和美はそれから“偶然”時間が合った時に一緒に帰るようになったのだ。 18.付き合ってるなんて言えたのか?恋人?愛しい人? どれも、しっくり来ない。 二人の関係は。 そう、それはただ、如月和美と、左近肇(ハジメ)の関係だったのだ。 今はもう持てないであろう、そんな関係だったのだ。 19.なんとかスーツに着替えると、昨日の話を元に動きだす。 事件が起こったのは一昨日の深夜。 後、少しすれば、マスコミが騒ぎ出す。その前に行動に移す必要があった。 いつか通った道をたどり、目的地にたどり着いた。 20.「あら、探偵さん・・・。」 「おはようございます。奥さん。」 「ええ、おはようございます・・・。」 「去年は大変申し訳ございませんでした。お力になれず・・・。」 「・・・いえ。お気になさらずに・・・。で、今日はどのようなご用件で?」 「一昨日の件で、真弓ちゃんに話を聞きたくて、参りました。」 「一昨日の・・・。」 「はい。つらいことだとは思いますが・・・。」 「お仕事ですか?」 「いえ、個人的なものです。」 「・・・。分かりました。どうぞ。今二階の自室に居りますので。」 21.「左近さん!」 「よぅ。久々。」 「今、何してるんですか?勇気、心配してましたよ。」 「まぁ、色々。で、今日は真弓ちゃんか。」 「はい。良く分かりましたね。私です。真弓です。」 「俺を苗字で呼ぶ女子高生は真弓ちゃんだけだよ。」 「ふふっ。」 「で、本題。一昨日のはどっちよ?」 「それも、私です・・・。」 22.あの後、純一と真弓は一週間程度で入れ替わっているらしい。 さすがに友達の目はごまかせなかったみたいだが、 逆に協力してもらいなんとか学校生活を送っているとのこと。 ベストではないがベター。 儚いことにはなんら変わりは無いが。 23.猛烈にタバコが吸いたかった。ぐっと我慢すると喉が痛くなった。 「つらいとは思うが聞かせてくれ。一昨日、何があったかを。」 自分がひどく真剣な目をしていたのだろう。 真弓ちゃんは少しひるんだ感じで、はい、と言って続けてくれた。 24.ホテルに帰り着くと、見計らったかのように携帯が鳴る。 安田からの電話だ。 収穫はなしだと、安田からの電話を切ると、コーヒーを飲みつつタバコに火をつける。 電気をつけていない部屋なのに、煙ははっきりと分かるぐらい、白かった。 部活の帰り道、暗くなり始めた細い路地で無灯火の車が突っ込んできた。 一緒に帰宅していた友達の男子高校生に突き飛ばされて難を去ったとのこと。 変わりにソイツは足を折り入院中だとか。 さっきテレビをつければ、俺が午前中、足を運んだ風景が映し出されていた。 明日は病院に行ってみるか。 25.病室には何処かで見たことがある女子高生がリンゴを剥いていた。 その目をみて思いだした。純一に初めて会ったときに話を聞かせてくれた女子高生だった。 佐々木康太と名乗った男子高校生に話を聞きたいというと、 横に居る女子高生を見て、五月も一緒で良いなら、と肯定の返事をもらう。 26.「最初はなんでもない。そう日常の風景でした。」 「無灯火でしたけど、稀にはありますし。」 「でも、車種が分かるぐらいに車が近づいて来た時に、ちょっと昔を思い出して。」 「ああ、これはマズイって思って。」 「そう、またかって。」 「気付いたら相良さんを突き飛ばしてました。」 言葉に違和感を感じる。車種?昔?マズイ?また? 遠くを見だした俺から目線をはずした男子高校生は慌てたように言葉を発した。 「五月・・・?大丈夫か!?」 27.つられて女子高生を見た俺は不覚にもギョッとしてしまった。 女子高生が顔面蒼白になっていたからだ。 「康ちゃん・・・。それって・・・。」 「五月・・・?」 「その車の車種って・・・なに?」 「えっ?」 「なに!?」 「えっと・・・。なんて言ったかな・・・。あの、CMでよくやってるコンパクトカー・・・。」 「一緒だ・・・。一緒だよ!康ちゃん!」 そういうと女子高生は泣き崩れた。 28.突然鳴り出した携帯電話。電源を切り忘れたか。 取り乱す女子高生を前に却って居ない方が良いだろうと病院を出る。 駅前の喫煙所で着信を確認すると安田からだった。 折り返しの電話をする気にならず、タバコを吸っていると、 似合わない大きなジッポーを使っている女子大生らしき娘が隣に座った。 ひどくおいしそうにタバコを吸うその娘を見ていると、自分のタバコもすごく旨く感じた。 そんな折、後ろから急に声をかけられた。 「左近さ・・・ん?」 「お前は・・・。」 その男を見て女子大生が、慌てたようにタバコをもみ消していたが、今はどうでも良い。 「『如月』修・・・。」 29.女子大生に急用が出来たと、修が告げている。 少し怒った顔をしたが、修の顔をみると素直に分かったと応じていた。 「良い娘をみつけたな。修。」 「・・・そうですね。どうしましょうか?」 「近くに行きつけの店がある。そこで。」 「分かりました。」 31.「おい、『捜し屋』。ちゃんと電話に出ろ。」 「・・・。頻繁にかけすぎですよ。俺だって出れない時もあります。」 「なに、お前が抜け駆けしないか心配でね。」 「しませんよ。そんなことは。俺は名誉がほしいわけじゃない。」 「であれば良いが。で、どうだ?状況は?」 「そっちこそ、どうなんですか?」 「お前さ、知ってるだろう?“俺ら”の手口を。」 「知ってますよ。・・・嫌と言うほど。」 「なら、良い。で?」 「芳しくありません。」 「本当か?」 「はい。」 「そうか・・・。何かあればすぐに連絡をよこせ。」 「分かりました。」 やけに潔く引き下がったな。今の俺にはそちらの方がありがたいが。 32.電話を切ると、事務所からもってきたファイルに目を通す。 10年前、10月2日 『如月 和美』 2年前、7月20日 『桜井 朋子』 1年前、3月3日 『相原 淳』 今年、10月1日 『相良 真弓(未遂)』 当然、この他にも被害者はいるが、この町に事件の関係者がこんなにいるなんて・・・。 これは何かの偶然か? いや、違う。偶然が集まればそれは必然になる。 俺はタバコに火をつけると、この4つの事件を最初から整理し始めた。 33.何本目か分からなくなったタバコをもみ消したところでふと気が付いた。 今年の事件だけおかしい。俺の考えがあっていれば。 相良純一の女体化をヤツが知らなかったとしても、すでに16の誕生日を迎えているからだ。 もし、佐々木康太を彼氏と勘違いしていても、こちらも16の誕生日を迎えている。 俺の考え方が間違っていたのか? 34.翌日。悩んでいてもしょうがないと、相良家に向かう。 チャイムを鳴らすと、奥さんが出てきた。 相良薫(カオル)。 もう二度と会うまいと思っていたのに、ココ数日間で2度目の顔合わせとなった。 36.「私の考えでは、真弓ちゃんに狙われる理由は無かった。奥さん、何か心当たりはありませんか?」 俺の犯人像と、犯人の目的を伝えた後、そう聞いてみた。 大した情報が入るとは思っていないが、藁にもすがる気持ちだった。 「女体化前の・・・。」 「はい。あくまで私の想像ですが。」 「・・・。昔、私には双子の妹が居ました。」 「・・・、昔?」 「はい。22年前。美鈴は殺されました。考えられるとしたらこれぐらいです。」 「・・・。」 「私はそれがショックで。ぽっかりと何かをなくしてしまったようで。」 「そんなことが・・・。」 「気が付いた時には“女”になっていました。その時から2年後の話です。」 「奥さんも“元男”・・・。」 「その後は本当に荒れました。そんな私を唯一支えてくれたのが、最初の主人でした。」 「・・・。」 「でも、駄目でした。私が妊娠して、双子を出産した時から。」 「・・・。」 「純一と真弓にはひどいことをしてしまった。本当は今からでも2人と一緒に暮らしたい。」 「それは・・・。」 「でも、二人が決めたことなら。二人がそれが幸せなら。私は何も言わないことにしました。」 「・・・。最後に、一つだけ。」 「はい。」 「妹さんを殺した犯人。捕まってますか?」 「いえ、捕まっていません。容疑者は出ました。でも、証拠不十分で起訴できなかった。」 「・・・。」 「同級生です。父親が警察官だったから、それも多少関係があったのかもしれません。」 「名前、覚えてますよね。教えてください。」 「・・・。そいつの名前は・・・。」 37.10月の終わり。だいぶ寒くなってきて、夜中にずっと張り込んでいると、すごく寒い。 朝方になって今日はもう来ないだろうと、尿意を感じ、久々に事務所に戻って用を足す。 帰り際に、ドアのノブに紙袋がかかっているのに気が付いた。 見慣れた字で『オジさんへ』とかかれている。中には携帯音楽プレイヤーが入っていた。 それを再生すると懐かしい声が聞こえてきた 38.『元気にしていますか?いつ帰ってきますか?』 『オジさんは、ぼ・・・私に会いたくないといいますが、私はオジさんに会いたいので、せめて声だけでも送ってみます。』 『早く事件を終わらせて、帰ってきてくださいね。竹下勇気より。』 最近の機械はこんなこともできるのかと、感心すると、火をつけようとしたタバコをしまい、 ちょっとだけやる気が出てホテルに戻る。 その帰り際に、木島修と、佐々木康太に電話をかける。 「ちょっと、手伝って欲しいんだが。」 39.そこから一週間。結果は出ていない。今日も駄目かなと、佐々木康太に電話して、今日は帰るように伝える。 続いて、修にも帰るように伝えようと携帯をいじっていると、逆に修から電話が掛かってきた。 「左近さん、今すぐ来てください。来ました、怪しいのが。」 場所だけ聞くと、全力で走り出した。 40.伝えられた場所に駆けつけると、電柱の影で様子をうかがっている修を見つけた。 お前はもう帰れと、修に伝えると、俺はポケットに手を突っ込んで電柱から出た。 コンパクトカーをいじっている怪しい人影に近づく。 修は俺のその堂々とした態度に戸惑っていたようだが、素直に俺の言葉に従い消えていった。 「安田さん。何やってるんですか?」 41.俺に呼びかけられた人物。安田康弘は緩慢に振り返ってフッと笑った。 その態度には余裕がにじみ出ていて、俺はやっぱり警察ってのはいけ好かない人種だと再認識した。 42.「『捜し屋』、こんな時間に何をしている?」 「いや、八方塞がりでして。しょうがないから、町中にあるコンパクトカーを全部張ってたんでよ。犯人が来るから。」 「・・・。何故だ?ヤツがまたこの町で事件を起こすなんて確証はないだろう?」 「確かにね。ありません。でも、確立は高いと思いますよ。」 「何故?」 「だって、今回の失敗してますから。完ぺき主義の犯人がこのままあきらめるとは思っていません。」 「そうか。まあ、“俺ら”もそう思う。だからこそ、俺もこうして張っていたんだが。」 「そうですか。・・・。でも、それって嘘ですよね?」 43.「・・・何を言っている?」 「22年前。相良美鈴を殺したのって安田さんですよね?」 「・・・。」 「よく捕まりませんでしたね。コネっていうか、警察の力ってすごいですね。」 「知らんな、そんなことは。」 「それも嘘です。だから、相良真弓を狙ったんでしょう?少々ポリシーに外れても。相良薫をおびき出したかったとか?」 「どういう意味だ?」 「他の事件の被害者もココに集まっていたのは予想外だったでしょ?でも、俺はおかげで多くの人の協力を得れたのでよかったです。」 44.「『捜し屋』、なかなか面白いことを言う。そして、お前はやっぱり優秀だったよ。」 「なぜ俺に声をかけたんですか?」 「お前はほっといても首を突っ込んでくるだろうからな。だったら最初から縄をつけておいた方が都合が良かった。」 「道理で。いつも良いタイミングで電話をかけてくるはずだ。」 「でもな、お前の推理、少し違う。」 くしゃくしゃのタバコに火をつけると、旨そうに吸い始めた。 俺も負けじと左手だけで、器用に火をつけた。 45.「22年前。相良美鈴をさっ、犯そうとしたわけよ。」 「そしたらよ、あのヤロウすげー抵抗してきたわけよ。俺はカッとしたね。俺に逆らうのかって。」 「気がついたらさっ、死んでやんの。なさけねぇ。ま、親父の力で何とか逃げられたけどな。」 「でよ、その後が傑作なんだよ。相良美鈴には双子の兄がいたんだけどよ、精神ぶっ壊れてるの。」 「シスコンだっけか?あれは笑った。しかもさ、女になってやんの。15,6で童貞って笑わせるわ。」 「その後も俺は気になって、兄、薫の人生を覗き見させてもらった。笑える。幸せつかんでもすぐ手放してるの。」 「薫が双子産んだ時なんかサイコーだった。幼児虐待とかアホかと。」 「でよ、薫が女体化して俺は思ったわけよ。他のヤツも女体化させて、人生狂わせたら面白いんじゃないかって。」 下品に笑う口にくわえられたタバコ。その口から出る紫煙。 そのどちらも可愛そうになって、同情した。 46.「やっぱさ、結構な確立で女体化してさ、不幸になっていくの。それが楽しくって楽しくって。」 「おまえもよ、女にはならなかったけど、良かったぜ。」 「俺が殺してからお前の誕生日までの2ヶ月とかまじウケタ。もう12年も経つのにずっと引きづってるとかよ。」 「でもさっ、中にはよ、女にもならず、しかものうのうと次の幸せつかもうとしてるヤツとかも居るわけよ。」 「ひでーな、おい。お前のせいで死んでるのによ。」 「この町に集まったのは偶然?そうだろうよ。でも、俺がココに来たのは偶然じゃないぜ。」 「あいつらにもう一つ不幸を与えてやろうと思ってよ。」 遠くから複数人の足音が聞こえてきた。もう十分かな。 47.ココです、と修の声。 その後ろには制服警官が二人いた。 二人は安田を目にとめると、少し驚いたように話し掛けた。 「安田刑事。何をされているのですか?」 「なに、ここで車をいじっている怪しい人影を見つけたので、ちょっと話を聞いているところだ。」 チラッと俺のことを見ながらそう応えた。 なに、言ってやがるそれはお前だ、と色めき立つ修を左手で制する。 48.「ちょっと、署で話を聞かせてもらおうか。」 そう言って近づいてくる警察官。 俺は修を制した左手を挙げ、ポケットにずっと突っ込んでいた右手も挙げた。無抵抗をあらわすバンザイのポーズ。 その右手には携帯音楽プレイヤー。 右手だけで、器用に再生して見せた。 49.『22年前。相良美鈴をさっ、犯そうとしたわけよ。』 何度も確認したから、大丈夫だという確信はあったが、やっぱり本番までは気が気でなかった。 音声は十分だった。最近の技術の進歩はすごいなと思う。 50.慌てて飛び掛ってくる安田を前蹴り一発で追い返す。 その間もずっと続く“自白”に二人の警察官は唖然としているようだ。 これで全部終わったかな。今度は両手で丁寧にタバコに火をつけた。 51.もうだいぶ遅い時間。最近、寝てる間にオジさんから連絡が来る気がして、なかなか寝れなかった。 そんな私に光は付き合ってくれる。優しい娘だ。さすが、“僕”が惚れただけのことはある。 家の安いコーヒーメイカーで淹れたコーヒーを口に運ぶと、すごく美味しかった。 今までで、一番の出来だ。 「今度ね、亮ちゃんと買物行くんだ。」 「仲直りできて良かったね。」 「別に喧嘩していたわけじゃないって。それにちょっともめてたのはずっと昔の話だよ。って、勇気どうしたの?」 「ううん。なんかさっ、いいことがありそうな気がして。」 「?なんで?」 52.久々の事務所。机にふんぞり返るとタバコに火をつける。 やっぱりココで吸うのが一番旨い。 しばらく、紫煙を見つめていると、階段を登る軽い音が聞こえてきた。 最初にかける言葉は決めていた。 少々キザかなとも思ったが、ハードボイルドはそれぐらいで丁度良い。 『ようこそ、左近探偵事務所へ、お嬢さん。』 おしまい。
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霊場会 霊場会の名称 不詳 霊場会サイト 事務局所在地 事務局TEL そ の 他 気になること スペック 開 創 元禄15(1702)年 専用納経帳 不詳 納 経 料 不詳 対応時間 不詳 注意事項 札所一覧 地図 ポン太さんの地図 札番 寺社名 所在地 電話番号 霊場本尊 宗派 納経所 第1番 知足院 埼玉県埼玉県桶川市下日出谷556 第2番 大雲寺 埼玉県埼玉県桶川市西1-10-24 048-771-1510 第3番 龍山院 埼玉県埼玉県上尾市上463 048-771-6951 第4番 松福寺 埼玉県埼玉県北足立郡伊奈町小室5026 第5番 天台宗清光寺 埼玉県埼玉県北足立郡伊奈町小室9352 第6番 観音寺 埼玉県埼玉県北足立郡伊奈町大針1095 第7番 三仏堂 埼玉県埼玉県桶川市小針領家659 第8番 正法院 埼玉県埼玉県久喜市菖蒲町上栢間2767 0480-85-0494 第9番 文殊院 埼玉県埼玉県鴻巣市常光1332 第10番 東光院 埼玉県埼玉県桶川市加納1077 第11番 加藤高邸旧観音寺 埼玉県埼玉県北本市中丸10丁目520 第12番 如意寺 埼玉県埼玉県北本市古市場2丁目32 第13番 壽命院 埼玉県埼玉県北本市深井4丁目55 第14番 深井邸深井寺 埼玉県埼玉県鴻巣市宮地3丁目3−69 第15番 妙楽寺観音堂 埼玉県埼玉県鴻巣市原馬室1282 第16番 妙音寺 埼玉県北本市高尾6丁目107 第17番 みそ観音堂 埼玉県北本市荒井1-330番台 第18番 普門寺 埼玉県埼玉県桶川市川田谷6663 第19番 無量寺 埼玉県桶川市川田谷5830番台 第20番 蜜厳院 埼玉県埼玉県上尾市藤波2丁目196 第21番 弥勒院 埼玉県桶川市川田谷3050番台 第22番 新御堂 埼玉県桶川市川田谷1170番台 第23番 観音院 埼玉県埼玉県桶川市川田谷17 第24番 照明院 埼玉県埼玉県上尾市小敷谷505 第25番 小泉観音堂 埼玉県上尾市小泉806 第26番 谷津観音堂 埼玉県上尾市谷津2-3-27 第27番 大谷観音堂 埼玉県上尾市大谷本郷760番台 第28番 馬蹄寺 埼玉県埼玉県上尾市平方2088 048-725-2052 第29番 観音寺 埼玉県埼玉県さいたま市西区高木1671 第30番 清河寺 埼玉県埼玉県さいたま市西区清河寺792 048-624-1763 第31番 妙光寺 埼玉県埼玉県さいたま市西区指扇1824 048-622-8840 第32番 慈眼寺 埼玉県埼玉県さいたま市西区水判土462 048-624-4509 第33番 満福寺 埼玉県埼玉県さいたま市北区日進町2丁目1003 048-663-6503 ※平成24年9月現在のはなえたび遊録・札所めぐりさんの情報を基としています。 名前 コメント
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霊場会 霊場会の名称 置賜三十三観音札所会 霊場会サイト 公式サイト 事務局所在地 事務局TEL そ の 他 24、12、21番札所が事務局 気になること スペック 開 創 不詳 専用納経帳 あり 納 経 料 朱印のみ@200、朱印墨書@300 対応時間 9時~17時 注意事項 2012年に連合ご開帳があったが、通年対応。 札所一覧 地図 札番 寺社名 所在地 電話番号 霊場本尊 宗派 納経所 第1番 観音堂 山形県米沢市広幡町上小菅1948 付近 上小菅観音 在家宅にて 第2番 源居寺 山形県西置賜郡飯豊町手ノ子1711 0238-75-2101 高峰観音 第3番 高伝寺 山形県西置賜郡飯豊町黒沢528 0238-72-3354 黒沢観音 第4番 観音堂 山形県西置賜郡飯豊町 中村観音 在家宅にて 第5番 観音寺 山形県長井市九野本2047 九野本観音 21番にて(または自押) 第6番 正法寺 山形県長井市時庭1428 0238-84-2876 時庭観音 第7番 円福寺 山形県西置賜郡白鷹町高玉1207-1 0238-85-5295 高玉観音 第8番 観音寺 山形県西置賜郡白鷹町深山3072 0238-85-3063 深山観音 第9番 観音堂 山形県西置賜郡白鷹町畔藤164付近 杉沢観音 在家宅にて 第10番 普門坊 山形県長井市宮横町14-8 0238-84-0427 宮ノ観音 第11番 観音堂 山形県西置賜郡飯豊町萩生3171付近 萩生観音 瑞雲寺にて 第12番 東正寺 山形県南陽市赤湯1621-3 0238-43-2457 赤湯観音 第13番 円光寺 山形県西置賜郡白鷹町十王3889 0238-85-3102 関寺観音 第14番 大光院 山形県東置賜郡 川西町上小松2948 0238-42-2666 置霊観音 第15番 弥勒院 山形県米沢市本町1-4-24 0238-22-4199 火の目観音 第16番 観音堂 山形県西置賜郡白鷹町鮎貝 鮎貝観音 在家宅にて 第17番 雲洞庵 山形県長井市芦沢496 0238-88-4437 芦沢観音 第18番 珍蔵寺 山形県南陽市漆山1747-1 0238-47-2264 新山観音 第19番 幸徳院 山形県米沢市笹野本町5686-5 0238-38-5517 笹野観音 第20番 観音堂 山形県西置賜郡白鷹町十王 仏坂観音 大聖院にて 第21番 宝珠寺 山形県米沢市小野川町2580 0238-32-2929 小野川観音 第22番 真言院 山形県西置賜郡白鷹町広野2676付近 広野観音 第23番 桃源院 山形県米沢市川井3823-1 0238-28-1131 川井観音 第24番 普門寺 山形県米沢市万世町桑山296 0238-28-4052 桑山観音 第25番 龍性院 山形県米沢市赤芝町12 0238-32-2528 赤芝観音 第26番 西明寺 山形県米沢市遠山1561 0238-22-0568 遠山観音 第27番 観音堂 山形県西置賜郡白鷹町高岡2338付近 高岡観音 相応院にて 第28番 網正寺 山形県南陽市宮崎827-1 0238-43-5481 宮崎観音 第29番 岡応寺 山形県西置賜郡白鷹町荒砥乙1389 0238-85-5106 松岡観音 瑞岩寺にて(または自押) 第30番 観音堂 山形県南陽市宮内 長谷観音 第31番 正寿院 山形県長井市五十川3857 0238-88-4523 五十川観音 第32番 観音堂 山形県長井市森673 森の観音 21番にて(または自押) 第33番 泉養院 山形県米沢市浅川2220 0238-28-1706 浅川観音 番外 大聖寺 山形県東置賜郡高畠町亀岡4028-1 0238-52-0444 亀岡文殊 ※平成24年10月現在の札所会公式のサイトの情報を基としています。 名前 コメント
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ご挨拶 こんにちは、あかーりです。 リヴリー雑誌事務所へようこそ!ここでは、5月号からのリヴリー雑誌を保管したりしています。 いろいろ、便利なところがあります!よろしくお願いします^^ リヴリー雑誌局 Jewel さて、みなさんリヴリー雑誌Jwewlをご覧にいただけたでしょうか? そんなの見てないしって方は、ご覧になるといいですよ^^ まだ工事中です。2021年12月11日 (木)
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設立年月日 1995年4月 (個人建築事務所フリーダム設計として) 役員 代表取締役 鐘撞 正也 取締役 山神 智次郎 取締役 福池 卓 取締役 太田 径範 スタッフ数 61名(2012年8月現在) 主な事業内容 建築設計監理 許可登録 一級建築士事務所登録 東京都知事 50906号 一級建築士事務所登録 兵庫県知事 102090号 宅地建物取引業者 兵庫県知事(1)110865号 大阪府知事登録 (イ)第22525号 愛知県知事登録 (い-22)第12160号 千葉県知事登録 第1-1106-7502号 沿革 1995年 建築事務所フリーダム (個人) を設立 1996年 神戸市中央区下山手通4丁目に事務所を移転 2001年 建築事務所フリーダム (個人) を改め、 (有) 建築企画設計事務所に名称変更 業績拡大により神戸市中央区栄町通3丁目に事務所を移転 2002年 業績拡大により神戸市中央区栄町通6丁目に事務所を移転 2003年 業績拡大により神戸市中央区山本通2丁目に事務所を移転 住まいづくりに必要なインテリアを強化するために、 造付家具のデザインや家具の輸入販売を主な事業とする 関連会社 (株) プライエを設立 2004年 (有) 建築企画設計事務所を改め、 (株) 建築設計事務所フリーダムに名称変更 関連会社 (株) プライエを改め、 (株) ノーバンインシストに名称変更 関東圏進出のため、東京日本橋事務所兼ショールームを開設 2006年 大阪梅田事務所を開設 2007年 神戸本社リニューアルオープン 東京自由が丘事務所を開設 2009年 名古屋事務所を開設 2010年 特設コンテンツ、FREEDOM TVをリリース 代表取締役鐘撞正也が書籍”身の丈コストでデザイン住宅を建てる。”を幻冬社より発売 2011年 千葉事務所を開設 業務拡大により名古屋事務所を移転 2012年 横浜事務所を開設 業務拡大により大阪事務所を移転 新宿事務所を開設 代表取締役鐘撞正也が書籍”世界でたったひとつの間取りができるまで。”を幻冬社より発売
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霊場会 霊場会の名称 不詳 霊場会サイト 事務局所在地 事務局TEL そ の 他 気になること スペック 開 創 不詳 専用納経帳 不詳 納 経 料 不詳 対応時間 不詳 注意事項 札所一覧 札番 寺社名 所在地 電話番号 霊場本尊 宗派 納経所 第1番 夕顔観世音奥の院 福島県相馬市尾浜松川 第14番 観音寺密徳院 福島県相馬市 舟越観音堂 福島県相馬市尾浜船越 名前 コメント
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事務所で受けた裁判(2) 一、玉石同架次第不同大小取交の事 一、但素人にも玄人にも良く利く事 山崎今朝彌 集 ○十五才未満の養子の実親は自分の名で離縁の訴訟が出来る 東地、民、一 民法八百六十七条には養子が十五歳未満なる時は其実親より離縁の訴を起す事を得とあり他の似た場合の法文の如く法定代理人はとか代はりて起す事を得とか書いて無い、故に養子の実親自ら原告となり、原告の子何某と養親某とを離縁す、との判決を求むる事が出来る。 富山地方裁判所では最近之れと反対に右様の原告の訴を却下して原告名義は養子自身でなければならぬと判決したが田舎の方が違ふてると思ふ。 ○賭博常習者とお負け 大、刑、三 賭博常習者が月日を異にして、数十回賭博を為したる時と雖も之を包括的に観察して一罪と為すべきものなれば常習者たる被告が数回賭博を為したるに対し一箇の賭博罪を犯したるものと為したる原判決は相当なり、蓋し何回も為すべき事が常習賭博の性質なれば、一つ以上はお敗けとの意あり。 ○刑事上の証拠に制限なし 大、刑、二 刑事上の証拠には何等の制限なければ検事が犯罪捜査の為め人の任意陳述を録取したる聴取書及び医師に命じたる鑑定書を断罪の証拠に供するも違法にあらず。 ○判決言渡の公行 大、民、三 民事訴訟法第百二十九条第五号は対審を公開し若くは公開を禁止したることに関する規定なれば判決に接着する口頭弁論迄の調書に弁論公開の旨を記載すれば足り判決言渡期日の場合は該規定中に包含せざるものとす、従て判決言渡調書に弁論公開の記載なきも不法にあらず、と、併し実際公開せずに判決を言渡したら何とする、刑事ならば此場合上告の理由となる事当然なり。 ○本訴と反訴、地方と区 大、民、一 地方裁判所の訴訟に於ては反訴を為すには本訴の答弁書差出期間内(十四日内)に之を提起する事を要し右期間経過後に係るときは縦令相手方より何等の異議を述べざりしとするも其反訴は無効なるに相違なけれど区裁判所に於ける第一審訴訟手続に於ては答弁書の差出を必要とせざるを以て答弁書差出の期間なるもの存せざる結果反訴は判決に接着するに弁論の終結に至る迄何時にても提起するを得べきものなり。 ○相殺により債権消滅したる場合も証書の取戻が出来る 大、民、一 民法第四百八十七条の規定を以て弁済者に債権証書返還の請求権を認めたる立法上の趣旨は畢竟債権証書は債権の成立を証明するの具に過ぎざるを以て債権が弁済に依り消滅せる以上債権者は之を保有する必要なきのみならず或は債権者は其手裡の債権証書を利用し再び弁済を請求するの危険あるを慮るに出でたるものなれば此規定の精神は独り債権が弁済に依り消滅したる場合のみならず更改相殺免除其他の原因に依り債権の消滅したる場合にも箝当し得べきものなるを以て弁済以外の原因に依り債権全部消滅に帰したる場合にも亦債務者は債権証書返還の請求権を有するものなりと解するを妥当とす。 ○一審手続の不法と上告 大、民、二 控訴審の訴訟手続にして適法に行はれたる以上は仮令第一審に於ける訴訟手続に違法ありとするも之を以て上告の理由と為すことを得ざるものとす。 ○証人の援用は調書に記載する必要なし 大、民、一 原審口頭弁論調書には上告人の主張する如く其第一審証人の証言を被上告人に於て援用したる記載なしと雖も原判決事実摘示の部には援用したる旨を記載しあるが故に其記載に徴し援用の事実明白なれば原判決には不法の点なきものとす。 ○被告が其被告事件に付偽証教唆をなすは証憑偽造にあらず 大、刑、一 因て按ずるに証憑湮滅の罪に付き所謂証憑の偽造とは証拠自体の偽造を指称し証人の偽証を包含せざること勿論なり故に被告人に於て自己に対する刑の被告事件に関し法律に依り宣誓したる証人をして虚偽の陳述を為さしめたりとするも自己の刑事被告事件に関する証拠自体を偽造したりと云ふ事を得ず。 ○予審公行は勝手なり 大、刑、一 予審手続は原則として之を密行すべきも予審に関する一切の処分は公行を許さず之に背きたるときは必ず其処分を無効と為すべき旨の法規存せざる以上、之を密行せざるの故を以て直に之を無効なりと論断するを得ず所謂証人訊問は予審判事の嘱託に依り其性質固より予審処分に属すると謂はざるべからざるも其公開は未だ右訊問を当然無効に帰せしむべき原因と為すに足らず。 <以上は、山崎今朝弥氏が著作者である。> <旧仮名遣いはそのままとし、旧漢字は適宜新漢字に修正した。> <底本は、東京法律事務所『月報』第9号4頁、大正4年(1915年)5月20日号>
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明和産業 本店:東京都千代田区丸の内三丁目3番1号 【商号履歴】 明和産業株式会社(1947年7月25日~) 【株式上場履歴】 <東証1部>1975年9月1日~ <東証2部>1973年4月2日~1975年8月31日(1部に指定替え) 【合併履歴】 1959年7月 日 三商株式会社 【沿革】 昭和22年7月 旧三菱商事株式会社の解散に伴い、同社本店並びに大阪、名古屋、八幡各支店の化学品、資材、業務関係者により商事会社として設立。(資本金 19万5千円) 本店を東京都中央区日本橋に置き、同月大阪支店、名古屋支店、八幡支店(現九州営業所)も設置。 昭和34年7月 三商株式会社(当社と同じく旧三菱商事株式会社の解散により設立)と合併、業務内容の拡充とともに対社会主義諸国との取引に特色を有す三菱系中堅総合商社としての確固たる地位を築く。(資本金 1億8千万円) 昭和39年4月 ボヘミアガラス等の販売を目的とした㈱明和セールスを設立。 昭和40年5月 本店を現在地に移転。 昭和48年4月 東京証券取引所市場第二部に株式上場。(資本金 8億5千万円) 昭和49年1月 ハバナに駐在員事務所を設置。 昭和50年9月 東京証券取引所市場第一部に昇格。(資本金 16億3千9百万円) 昭和55年12月 北京に駐在員事務所を設置。 昭和57年9月 上海に駐在員事務所を設置。 平成元年12月 ホーチミンに駐在員事務所を設置。 平成2年12月 第三者割当増資を行い、新資本金40億2千4百万円となる。 平成3年4月 太原に駐在員事務所を設置。 平成5年5月 成都に駐在員事務所を設置。 平成8年1月 長沙に駐在員事務所を設置。 平成12年1月 ㈱明和セールスの株式全株取得(現:連結子会社) 平成12年12月 広州に駐在員事務所を設置。 平成13年7月 大阪支店を現在地(大阪市中央区)に移転。 平成13年10月 物資部門(硝子・陶磁器事業)を会社分割により㈱明和セールスへ承継。 平成14年5月 九州支店を九州営業所に改編。 平成17年12月 九州営業所を現在地(福岡市博多区)に移転。
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霊場会 霊場会の名称 不詳 霊場会サイト 【31番札所 恵隆寺】 事務局所在地 事務局TEL そ の 他 気になること 地名がちょっと古い。熱塩加納村は現在は喜多方市に編入されています。 スペック 開 創 不詳 専用納経帳 あり(@700) 納 経 料 不詳 対応時間 不詳 注意事項 ガイドブック 会津三十三観音巡り 札所一覧 地図 札番 寺社名 所在地 電話番号 霊場本尊 宗派 納経所 第1番 常安寺 福島県喜多方市塩川町大田木寺下3284 0241-27-7848 十一面観世音 第2番 良縁寺 福島県喜多方市慶徳町松舞家松野730 0241-22-6453 千手観世音 第3番 金泉寺 福島県喜多方市豊川町米室綾金155 0241-22-3830 十一面世観音 第4番 徳勝寺 福島県喜多方市豊川町米室高吉4415 0241-22-3786 十一面世観音 第5番 示現寺 福島県喜多方市熱塩加納町熱塩甲795 0241-36-2031 千手観世音 第6番 勝福寺 福島県喜多方市関柴町三津井前田630 0241-22-2341 十一面観世音 第7番 光明寺 福島県喜多方市熊倉町熊倉熊倉837 0241-22-3321 千手観世音 第8番 観音寺 福島県喜多方市塩川町中屋沢台畑丙197 0241-27-2867 如意輪観世音 第9番 大光寺 福島県喜多方市塩川町遠田谷地中3227 0241-27-7445 十一面世観音 第10番 勝常寺 福島県河沼郡湯川村勝常代舞1764 0241-27-4566 十一面世観音 第11番 万蔵寺 福島県河沼郡会津坂下町束原東1516 0242-82-2282 馬頭観世音 第12番 養泉寺 福島県会津若松市北会津町田村山 0242-58-2720 聖観世音 第13番 観音寺 福島県会津若松市北会津町舘 0242-58-2813 聖観世音 第14番 蓮華寺 福島県会津若松市北会津町下荒井60 0242-58-2261 聖観世音 第15番 福昌寺 福島県会津若松市神指町大字高瀬高瀬2684 0242-24-7502 十一面観音 第16番 国姓寺 福島県会津若松市町北町大字中沢字平沢 0242-24-2625 聖観世音 第17番 密蔵院 福島県会津若松市町北町大字始中ノ明119-2 0242-25-0943 聖観世音 第18番 滝沢寺 福島県会津若松市一箕町大字八幡滝沢 0242-24-8437 聖観世音 第19番 蓮台寺 福島県会津若松市城西町 0242-22-1689 聖観世音 第20番 照谷寺 福島県会津若松市門田町大字御山館山甲3080 0242-26-0149 聖観世音 第21番 観音寺 福島県大沼郡会津美里町大石東左下り1173 0242-56-4103 聖観世音 第22番 自福寺 福島県大沼郡会津美里町氷玉相川丁 0242-56-4341 十一面観音 第23番 観音堂 福島県大沼郡会津美里町丸山乙691 0242-56-3259 十一面観音 第24番 日輪寺 福島県大沼郡会津美里町大字氷玉字村西山乙1032 十一面観音 第25番 常楽寺 福島県大沼郡会津美里町藤家舘領家甲70 0242-54-6509 十一面観音 第26番 福生寺 福島県大沼郡会津美里町冨川冨岡27 0242-54-2446 十一面観音 第27番 仁王寺 福島県大沼郡会津美里町吉田字村中甲167 0242-53-2207 聖観世音 第28番 天王寺 福島県大沼郡会津美里町高田甲2968 0242-54-5054 十一面観音 第29番 法用寺 福島県大沼郡会津美里町雀林三番山下3554 0242-54-6090 十一面観音 第30番 弘安寺 福島県大沼郡会津美里町米田堂ノ後甲147 0242-78-2131 十一面観音 第31番 恵隆寺 福島県河沼郡会津坂下町塔寺松原2944 0242-83-3171 千手観世音 第32番 正徳寺 福島県河沼郡会津坂下町青木66 0242-82-3660 聖観世音 第33番 西光寺 福島県河沼郡会津坂下町御池田寺ノ前152 0242-82-2479 聖観世音 番外 龍興寺 福島県大沼郡会津美里町字龍興寺北甲2222-3 0242-54-2446 聖観世音 番外 常安寺 福島県喜多方市塩川町常世上村906 0241-27-2986 十一面観音 番外結願所 如法寺 福島県耶麻郡西会津町野沢如法寺乙3533 0241-45-2061 正観音 ※平成24年9月現在の恵隆寺さんのサイトの情報を基としていますが、住所及び電話番号はGoogleMapでの検索結果に基づいています。 名前 コメント
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751 :最高!キネシス事務所☆ ◆mGG62PYCNk [sage] :2009/07/15(水) 14 40 37 ID VyuOs4KE 今日も最後の授業が終わろうとしている。 周りの生徒は皆必死で授業の内容をノートに写している。そういやテストが近いんだ。 授業の内容なんて、とうの昔、高校に上がってから頭に入れることを止めている。あれから三年、大して変わってないな。 一度でも考えるのを止めてしまえば、立て続けに覚えなければならない方程式や英単語に付いていけなくなるのは当然の事だ。 じゃあなにを考えているのかというと、同じクラスの『遠藤さん』の事だ。遠藤さんはとても優しくて頭がよくて、綺麗な人だ。学力はトップクラスで本人曰く苦手な教科は日本史、だと言うけど92点という点数を俺のような馬鹿に見せつけられると、どうもそうは思えない。 そんな完璧超人の遠藤さんは、時々放課後の教室で俺に勉強を教えてくれたりする。 ぶっちゃけ勉強には興味ない。ただ遠藤さんという天使と仲良く一緒にいたいというだけだ。ちなみに容姿は、お目目はぱっちりでいつもニコニコ、髪の毛は鎖骨よりやや下までの黒のセミロングといった感じだ。 そして……考えている事はそれだけじゃない。 今日は呼ばれているのだ。 今日は遠藤さんではなく、いやらしい汚いおっさんに。 752 :最高!キネシス事務所☆ ◆mGG62PYCNk [sage] :2009/07/15(水) 14 45 25 ID VyuOs4KE 授業が終わった。俺は通学用の自転車で家には帰らず『あいつ』の元へペダルを漕いだ。楽しみでも憂鬱でもない。ただやらなければならない、俺の存在意義はそこにしか存在しないとしか思わない。 ……『あいつ』にまた嫌味を吐かれるという事に対しては憂鬱ではあるか。 そういえば放課後遠藤さんに声をかけられた。 「………川上君」 「何」 俺は鞄を片手で背中に回したまま、目を合わさず言った。いつも態度を冷たくしてしまう。急に話しかけられるとついつい余裕を無くしてしまうタチなんだ。 「そ、そろそろテストだから、一緒に勉強しない……?」 「無理」 「そ……………そっか……。」 直接見てはいないが消え入りそうな声から察するに彼女はいかにも落ち込みましたと主張するように肩を下げ、俯いているのだろう。 ごめんよ、今日は許してくれ。 今日の事を振り返りつつ自転車を漕いでいると、見慣れた道に差し掛かった。騒がしい国道からはやや隔絶されたような、時が止まっているように静かだ。 右はこじんまりとしたやや年季のかかったマンションがぽつんぽつんと休み休みに立っており、そういう建物の隙間から田んぼが覗いている。 左には木や草が生い茂っており林になっている。その向こうは川だ。 俺の走っている道はもうアスファルトが剥がれ、ところどころに生えている。 もう田舎丸出しだ。 しばらくて『あいつ』がいるであろう自称『事務所』にたどり着いた。二階建てで茶色い煉瓦とコンクリートでできている。コンクリートはヒビが入っておりそこから草が生えている。 一階と二階の狭間の煉瓦の仕切りに『はな る靴屋』というボロボロの看板を頼りなく掲げている。 ちなみに、ここは靴屋じゃない。念のため。 753 :最高!キネシス事務所☆ ◆mGG62PYCNk [sage] :2009/07/15(水) 14 50 42 ID VyuOs4KE 俺は適当にその廃屋の前に自転車を停めた。 そして、階段へ上りそのまま二階へ上がった。廃屋なのに埃はかぶってはいない。もちろんそうだろう、何故なら以前俺は『あいつ』にここを掃除させられたのだから。 『あいつ』は部屋の奥に外装とは合わない黒の高級感のあるソファーに深く座っていて、煙草を口角にくわえている。 顔は長く、短髪で、もみ上げまで届く髭を蓄えている。おまけに高身長なので『演劇やってます』と嘘をついても違和感はないほどの貫禄がある。 今日はこれまた外装とはあわない光沢のあるスーツで中のシャツを着崩している。 俺を見るなり中年の嫌味な笑顔で迎えてくれた。きもちわりぃ。 「島田さん。」 「おぉ、リュウちゃん。待ってたんだぞ。」 「リュウちゃんって呼ぶな。」 「おぉ悪いな。ところでリュウちゃん。」 「………。」 嫌味なおっさんだ。俺は一先ず向かい側のソファーへ座ることにする。 「事件だ。」 島田さんの表情と声質はシリアスになった。 「だろうな。」 あいつはくわえている煙草を無数の煙草の残骸が捨ててある灰皿へ捨てた。 「ふーっ。今回は高校生ほどの少女による事件だ。目撃情報によると自動販売機や自動車、建物の破壊をしているようだ。今日も実際に自動販売機をとてつもないパンチで壊した現場を見たって人がいる。」 「……『使える』やつか。」 「だろうな。」 「にしても何のためにそんな事してんだよ。」 「高校生ぐらいの子がやる事にしっかりした理由なんざねえだろ。人を殺さなかっただけましと思え。」 ……核心に迫るような声質で俺の目をじっと見つめて言った。俺にも言ってんのか?余計なお世話だ。 「……で、島田さんは今日も手伝ってくれないと。」 「当たり前だろ、めんどくさいんだもん。」 さっきまでのシリアスな顔は一変、眉毛を上げあっけらかんとした表情で当たり前のように言う。………やれやれ。 「その代わり、今日はあの子を連れていくといい。おーい」 島田さんの呼び掛けから数秒後、隣の部屋へ通じるドアがガチャ、と開き、見覚えのある少女が出てきた。 754 :最高!キネシス事務所☆ ◆mGG62PYCNk [sage] :2009/07/15(水) 14 54 12 ID VyuOs4KE 「こんにちは、川上さん。今日はよろしくお願いします。」 「よろしく。」 彼女は外国人の少女で名前はエリー。外国人……とは言っても、容姿でそう判断しているだけで『俺は』どこの国の子かはわからない。島田さんは彼女についていろいろ知っているようだが俺には教えない。俺も無神経ではない。聞かないようにしている。 彼女は『使える』という理由で誘拐、もとい島田さんに拾われてここで住んでいる。 歳は……13歳ってとこか。俺よりもずっと小さい。顔立ちは本当に無垢な少女だ。サラサラ金髪のロングヘアーだ。 ただ、顔立ちは綺麗だが彼女は感情があるのかわからない。 目は見開いており、瞳孔は開いている。笑ったり泣いたりしているところを見たことがない。ただ言うことを忠実に聞くロボットのようだ。 「いいか、以前こことここで事件が起こったという事は、こことこことここで事件が起こる確率が高い。そして恐らくこの近くに住んでいるんだろう。」 島田さんは机に置いてある町内の地図に指差している。その度トントンと音がする。 「つまりこの当たりを張り込めと。」 「そういうこと。」 「はぁー。」 めんどくさい事になりそうだ。俺は深いため息をし、ガクッと俯いた。だが、俺みたいな偏差値がサル並の男が人の役に立てるなら、やるしかない。 「じゃあ気を付けてね。」 「はいはい。」 俺は机にある地図を手に取れば立ち上がり、エリーに目を合わせた。 「行こうか。」 「はい。」 俺は外へ向かおうとしたとき、島田さんが声をかけた。 「そうそうリュウちゃん。」 「……何。」 「髪の毛プリンになってるよ。」 「………あんたが給料あげてくれたら美容院だっていくさ。」 目を合わせないまま会話した。おっさんはフッと笑った。